学長挨拶

東京藝術大学長 日比野克彦
学長近影

「私」ってなんだろう?
わたしのまわりにはわたしじゃないやつらがいる
やつらはいつもわたしのまわりにいつもいる
わたしはひとり?
わたしはひとつ?
ひとり、ひとつ、
というくくり・・・そんな空気をいしきすれば・・
ひとつのまわりのたくさん
ひとりのまわりのおおぜい
といういう様子もイメージできるよね・・・。
「私」という認識させる指令の言葉は、
ふわふわした形の定まらない雲のような
「気持ち?」
「こころ?」がなんとなくあることを
通り過ぎる電車の窓からの風景のように認識させてくれる。

宇宙には宇宙がいくつもあるという
そんなことを科学者が私に伝えてくれた・・・
「そうだよね、そりゃそうだよね・・・」
そうでなければ、宇宙の外には何があるのだろうということになる。
自分の世界観以外に他者の世界観がある。
そりゃそうだ・・・
2023年10月29日18時56分
自分と宇宙は同じものだと仮定する。
宇宙は絶えず拡大し続けている、
自分は生まれ続けている。


日比野克彦